ラーメン(正油)\600 ★★★★★
岩見沢駅に降り立つ.
岩見沢が周辺の炭鉱の石炭輸送の拠点として栄えたのは,いつの時代のことだったろうか.
そうだ,昭和30年代から40年代にかけてのことだ.
かすれた機関車の警笛が鳴り響く.
あのころは,石炭を満載した貨物列車が行き交ったことだろう.
雪が降りしきる広い駅構内は,ただ荒涼としている.
かつて操車場のあったころの活気はない.
駅前に広がる商店街.
降りしきる雪に背を丸めて行き交う人はまばらだ.
商店街のスピーカーから流れる広告アナウンスだけが空しく流れている.
らい久に入る.
街中の静けさとは裏腹に満席ではないか.
かろうじて空いていた年季の入った巨大な木製のテーブルの一角に座る.
ほかの客が食べているラーメンは,驚くべき姿をしている.
みそがウリのようだが,正油の野菜入りを注文する.
出てきたラーメンには迫力がある.
ふくべ(札幌/琴似)ほどではないにしろ,もやしの量がすごい.
更に驚いたのは叉焼だ.
まるで岩塊のような厚切りのバラ肉叉焼が3枚入っているのだ.
これが旨い.
麺の量も多い.
通常の2倍近くはあるようだ.
堅めの西山の麺だ.
しこしこしていて味もある.
濃厚なスープを予想していたが違っていた.
油は多いが,鶏ガラベースの優しい味だ.
甘味があって実に旨い.
夢中で食べた.
まさしく昭和レトロなラーメンだ.
古き良き昭和の時代の味がそのまま残っている.
このお店に,あの時代,この旨いボリュームのあるラーメンをすするたくましい炭鉱夫たちの幻影を見たような気がした.
(2008/1)
らい久(らいきゅう) 岩見沢市5条西2丁目

ご主人の話では,創業46年くらいは経つようだ.
そうすると,創業1961年(昭和36年)ころということになる.
岩見沢が栄えた時代だ.
店内は,カウンター4席ほどと,巨大な木製テーブル席が3卓ある.
昭和レトロな雰囲気が色濃く漂っている.
入店しても注文を取りに来ることはない.
自ら申告するのだ.
ご主人は,奥の厨房で何やら声を出して確認しながら,ラーメンを作っている.
メニューは,分かりにくいが,3味がある.
野菜入りか野菜少な目かは,注文時に申告しよう.
特大,特製といった更に大盛りのメニューがある.
それにしても,質,味,量,いずれの点でも存在感のある凄いラーメンだ.
このお店のラーメンを食べると,東京や札幌の有名店や定番店のラーメンなど,子供だましのラーメンに思えてならない.
岩見沢を代表するラーメン屋といっていいだろう.