ごんちゃんラーメン/函館 谷地頭
チャーシューメン(正油)\880 ★★★★
初めてこのお店を訪れたのは何時のことだったろうか.
僕が函館に単身赴任して間もないころだったから,2002年4月のことに間違いない.
青柳町の”じょばんにの家”に住むことになった僕は,初めての北海道勤務に気をよくして,近くの飲食店を毎日食べ歩いたものだ.
ごんちゃんは,そんなお店の一店.
谷地頭の肉屋に併設されたラーメン屋だ.
肉屋の奥にある.
初めてここの塩ラーメンを食べたとき,一口,スープの味のなさに驚いたものだ.
話し好きで心温かい母さん曰く.
健康ラーメンを目指しているとのこと.
塩分半分,脂分カット,薬草を入れた無添加のスープ.
そんなラーメンを作っているということだった.
でも,食べ進むうちに,滋味深かい自然なスープに感動したものだ.
「全部飲んで行ってね」
母さんは何度も言っていた.
在函館少年さんのブログに触発されて,久しぶりに訪問してみた.
今日は,函館には珍しく綺麗なパウダースノーが降っている,
おや,暖簾が出ていない.
やっていないのかと思ったがドアを開けて入店.
ごめんくださいと大声で叫ぶと,いつも寡黙だった父さんが出てきてくれた.
やってますよと・・・
最後に食べたときから,もう8年も経っているのに,全くお変わりないようだ.
ラーメンが出来上がる前,名物母さんが登場.
前に何度が来たことがあることを告げると,あれこれ界隈の昔話に・・・
母さんもお変わりないようだ.
父さんが作ってくれたラーメンは,湯気がもうもうと・・・
脂分がほとんどないことの証拠だ.
ラーメンブロガーにとっては,撮影困難な状態なのだ.
母さんに頼んでうちわであおってもらった.
「もっと,もっと・・・」
湯気が飛んだ瞬間をパチリ.
母さん曰く.
「うまく撮れたかなあ・・・」
スープは,一口,やっぱり水っぽい.
だが,食べ進むうちにじゅんわりとスープの旨味が湧いてくる.
動物系と魚介系が一体となった八王子系スープの趣を感じさせる奥深いあっさり正油味だ.
麺は,中細縮麺.
モチモチ系でこれはもいける.
チャーシューが旨い.
肉屋のチャーシューだから当然のことだろう.
もも肉の旨味が自然な味付けで作られている.
何枚も入った大振りのチャーシューはボリュームもある.
決して,いわゆる旨いラーメンではない.
だが,母さんの心遣いとともに心温まる一杯であることは間違いない.
母さんの「また来てね」という言葉に送られて雪道を歩くとき,何故か体全体がポカポカと温かく感じられるのだ.
(2011/1)
北海道函館市谷地頭町25-20
火休/11:00~16:30
1986年 (昭和63年)

谷地頭電停から函館八幡宮に向かう通りの右手にある.
カウンター席数席にテーブル席3卓.

<メニュー>
チャーシューメン\880
正油ラーメン\600
塩ラーメン\600
味噌ラーメン\700
ごんチャーハン\670
焼ソバ\800
タンメン\800
ライス\200
焼肉定食\980
カツ丼\980
カレーライス\750
(2011/1)
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