二三太楼 東京都台東区上野2-3-7 東京メトロ/上野広小路
ラーメン\600 ★★★

土曜日の昼時に立ち寄ってみた.
先客はない.
カウンターに座る.
水ではなくお茶を出してくれたのはうれしい.
人気メニューは,ラーメンと半炒飯のセットのラーチャン(\650)のようだ.
スープは,鶏ガラベースのあっさり醤油味.
魚介系は入っていない.
麺は,堅めの細縮麺.加水率が低いのだろうか,ぼそぼそ感がある.
具は,葱,細切り支那竹,バラ肉叉焼.
全体的に巴家(東京/大手町)によく似たラーメンだ.
シンプルな元祖東京系ラーメンといえよう.
(2006/5)

創業1952年(昭和27年).
二三太楼.それにしても粋な店名だ.
入口に小さな若草色の暖簾がかかっている.
一見小料理屋のような感じなのだ.
どこからか太鼓や三味線が聞こえてきそうな雰囲気なのだ.
店から湯島天神はほど近い.
湯島天神と言えば白梅が有名だ.
明治時代の小説家泉鏡花の名作「婦系図」(おんなけいず)の舞台.
物語は「湯島の白梅」として芝居や映画にもなっている.
元は巾着切り(スリのこと)のドイツ語学者早瀬主税と柳橋の芸者お蔦との悲恋物語.
主税は,スリから更正させて学者にまで育ててくれた恩師に隠れ,芸者お蔦と同棲する.
二人の関係を知った恩師は二人の離別を迫る.
主税は,大恩ある恩師の言に従う.
場所は湯島天神.
主税はお蔦に言う.「どうか俺と別れてくれ」.
お蔦は主税に言う.「切れるの、別れるのってそんなことはね、芸者の時に言うことよ.今の私へは、はっきり死ねと言って下さい.」と.
芝居などで有名な口上だ.
今や古めかしい義理と人情の世界である.
二三太楼は,上野広小路から湯島よりの春日通り北側の歓楽街の路地中にある.
店は,カウンターとテーブル席2つほどの比較的小さな店だ.
経営者は老夫婦のようだ.
ところで,そのおばあさん.
厨房でご主人らしき方と調理をされている.
相当ご高齢であるようであるが,小柄ながらも背筋がピンと延びている.
目鼻立ちも整っている.
失礼ながら若いころはさぞかし美人であったのであろう.
何故かそこにお蔦のイメージと重なるものを感じるのだが・・・・.
気のせいであろうか.
(2006/5)