だるま軒/札幌 二条市場
塩ラーメン\600 ★★★★++
<札幌ノスタルジックラーメンシリーズ その7>
札幌ラーメンの歴史を語るとき,このお店抜きには語れないといっていい.
1947年(昭和22年),狸小路の屋台から出発したお店だ.
今日は未食の塩ラーメンを・・・
もし,この塩ラーメンを目をつむって食べてもらい,何処のラーメンかと尋ねたらどうだろうか.
多少なりともラーメンを食べ歩いている方なら,函館ラーメンと答える人が多いことだろう.
驚いたことに,スープは,伝統的な函館ラーメンのそれだ.
豚骨ベースの清湯スープ.
透明度も結構高い.
塩味だけにその旨味が際立っている.
これは実に旨い.
やや緩い茹で加減のモチモチの自家製麺がスープによくマッチしている.
伊達巻きは,このお店のオリジナル.
昔ながらの叉焼にシャキシャキメンマもいい感じだ.
こうして食べてみると,戦後間もないころの函館と札幌のラーメンには,質的な差はほとんどないように思えてくる.
というわけで,ノスタルジック度:★★★★★
(2011/9)
みそラーメン\650 ★★★++
昭和22年.
だるま軒は,終戦からほどなくして屋台の正油ラーメンから出発した.
昭和30年代,
味の三平で考案された味噌ラーメンは,だるま軒でもメニュー化された.
さて,その味噌ラーメンとは,どんな味なのだろうか.
味噌は,合わせ味噌だが白味噌に近い.
しかも薄味.
味の三平の味噌よりも更に薄いのだ.
濃厚系が主流の現代,一般的には大いにもの足らなさを感じることだろう.
だが,よくよく味わってみると,元スープと味噌味のバランスがよく考えられている.
味噌が突出するのではなく,味噌の濃度が元スープの味を引き出しているのだ.
これはこれで旨い.
麺は自家製の直に近い中細麺.
麺自体は旨いが,やや茹ですぎだ.
柔らかすぎる.
具はラードで火当てしたもやしなどの野菜だ.
味の三平の流儀にのっとっている.
札幌に味噌ラーメンが登場した昭和30年代.
村中のラーメンが登場するまでは,味の三平を含め,味噌ラーメンはこのような薄味だったのではないか.
そう思わせる1杯だ.
(2008/9)
正油ラーメン\550 ★★★★+
店内は歴史を感じさせるレトロ感がある.
スープはあっさりとした豚骨ベースの昔風の醤油味だ.
麺は細めのわずかにウェーブのかかった縮麺.
だるま軒伝統の自家製麺らしい.
もちもち感,味ともに申し分なく旨い.
具では伊達巻きが入っているところが変わっている.
創業以来の伝統のようだ.
レトロな札幌ラーメンだ.
確かな歴史を感じる1杯だ.
(2007/2)
■だるま軒■
札幌市中央区南2条二条市場内 西向き
木休/11:00~17:00
1947年(昭和22年)
http://www.darumaken.com/index.html
竹家食堂に始まった札幌ラーメンの歴史は,第二次世界大戦で寸断されてしまったようだ.
現在の札幌ラーメン の直接のルーツは,戦後,
満州 や樺太からの引き揚げ者らが札幌の狸小路界隈や創世川沿いに出した屋台に始まるとされている.
その先駆けがだるま軒だ.
創業者は西山仙治さん.
製麺の技術に定評があり,他の屋台に麺を卸していたようだ.
製麺は,西山仙治さんの甥の西山孝之さんが担当.
孝之さんは,昭和28年,南3条西8丁目に西山製麺所(西山ラーメン)を開業した.
孝之さんは,味の三平の大宮守人さんとともに,味噌ラーメンに合う 縮麺を考案したことでも知られている.
(昭和25年ころの「だるま軒」屋台.西山仙治氏(左)と商売を手伝った甥の孝之氏.北海道人「北国ラーメンものがたり」HPより)
(昭和30年ころの二条市場.写真右端がだるま軒.だるま軒HPより)
<メニュー>
正油ラーメン\600
塩ラーメン\600
味噌ラーメン\650
味噌大盛ラーメン\800
野菜ラーメン\750
チャーシューメン\850
大盛ラーメン\750
ライス(並)\180
ライス(中)\150
ライス(小)\130
バター\80
カレーライス\600
なお,メニューにはないが,ラーメンには中盛りがある.
現在のだるま軒のメニューからは,創業当時にはあったワンタン,ワンタンメン,シュウマイが消え去っている.残念だ.
(2011/9)
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