カレーライス\450 ★★★★

函館線の高架の上を走る列車を見ながら暖簾をくぐる.
午後3時過ぎという中途半端な時間だ.
それでも,昭和レトロな古びた大衆食堂は常連さんで賑わっていた.
おっちゃんが,テーブル席でビールを飲みながら,競馬新聞片手に競馬中継を見ている.
時折,「よし,かわした!」などと大声をあげている.
カウンターでは,そんなおっちゃんを意に介さず,中年のご夫婦らしき客が,定食をつまみにカップ酒を飲みながら歓談している.
カウンター席の端では,長靴を履いた作業員のお兄さんがボリュームのあるとんかつ定食をガツガツ喰っている.
壁には,貸し売りお断りの張り紙も・・・.
街の大衆食堂の古き良き平和な風景だ.
空いていたテーブル席に座る.
かつてはメニューにあったラーメンは,やめてしまったようだ.
一人調理に追われているおばちゃんにカレーライスを注文する.
昔懐かしいベーカー皿に盛られたカレーは,昔ながらの黄色をしている.
具は,すべてが細かく刻まれている.
弱いカレー味の優しいソースだ.
フルーツの味がする.
業務用全盛のこの時代にあって,紛れもなく手作りカレーだ.
それだけでも価値がある.
昔懐かしい.
盛りもいい.
昭和のあの時代にタイムスリップをしたような気がした.
(2008/2)
はれるや食堂
小樽市稲穂1-11-1
無休/11:00~22:00

創業1977年(昭和52年).
店構え,店内とも昭和レトロな大衆食堂そのもの.
創業当時のままなのだろう.
おばちゃん一人で営業されている.

壁に貼られたメニューは,ご覧のとおり.
とにかく安い.
ワインコインより一声安くなっているのだ.
中でもワンプレートのサービスランチ(\400)が人気のようだ.
古き良き時代の小樽を垣間見ることのできるいい大衆食堂だ.
(2008/2)
懐かしい!懐かしいなあ!
私の学生時代にオープンした食堂です。
誠実を絵に描いたようなキリスト教信者のご夫婦が始めたと記憶しております。で食堂の名前が「はれるや」。
1960年代にオープンしその後代替わりしたと聞いています。
当時はみんなお金がなく、とんかつなんて夢の時代でした。
学生はホッケ定食かメンチカツ定食。学食にはなかったメンチカツはとんかつを思い浮かべて食べたものです。美味しかったなあ。値段は百円札でお釣りがきた。東京では百円玉で小樽はまだ札の時代でした。当時の金融流通はそんな時代でした。
国鉄の入場券が30円。青森駅の連絡線のホームのかけそばが60円の時代でした。
南小樽駅から入舟町に下りた繊維問屋街に「東屋」という蕎麦屋がありますがそこのラーメンは美味しいですよ。
おばさんが麺を茹でると時々伸びすぎのときがありますが、お客さんの半分ぐらいは蕎麦屋でありながらラーメン食べてます。
当時、ラーメン専門店はほとんどなく、蕎麦屋か食堂でしたね。
塩と醤油の区別はなく「ラーメン」。
一度ご賞味を!
すいません。間違えました。
蕎麦屋の名前は「東家」が正しく、「東屋」ではありませんでした。
>バホそばドン丼 さん
お久しぶりです.
僕が今,こんなレトロ食散歩などというテーマで食べ歩いているのも,貧乏大学生だったころに世話になった大衆食堂や路地裏のラーメン屋の本当に旨かった味が忘れられなくて,そんな味を求めて食べ歩いているに過ぎないのです.
はれうや食堂もそんな食堂の一つだったのでしょう.
入ってみてすぐに分かりました.
はれるやの意味がよく分かりました.
ありがとうございます.
やっぱり,歴史ある食堂だったんですね.
東家は,小樽に行く機会があったら,是非,行ってみることにします.