阿佐利/函館 宝来町
Bランチ\1400 ★★★★+
函が横浜や神戸などとともに開港したのは,幕末期の1859年(安政6年).
以後,函に洋食文化が流入した.
北海道に現存する最も古い洋食屋は”五島軒”(函館市末広町/1879年・明治12年)だ.
今ではカレーが有名だが,元々はロシア料理のお店として出発した.
次いで,北海道開拓使の官営ホテルとして建設された”豊平館”(札幌市/1880年・明治13年),日本で最初のラーメンを発売したとされる洋食店”養和軒”(函館市末広町/1882年・明治15年)へと続くのだが,残念ながらその時代の味は現存していない.
”阿佐利”の創業は,1901年(明治34年).
創業者は,土橋多治氏,精肉店から出発した.
数年後,二階で牛鍋屋を始めたとされている.
現在も店舗一階に残る阿佐利精肉店は,このお店の歴史なのだ.
なお,この精肉店で販売されているコロッケは,一日平均800個作るそうだが,数時間で完売.
売るものがなかった戦時中の昭和15年ころ,先代の女将さんが販売したのが始まりだそうだ.
二階の座敷は実にクラシック.
幕末の武士が襖を開けて飛び出してきそうな雰囲気だ.
すき焼きは,どちらかというと薄味の割下で煮込まれている.
いわゆる関東風のすき焼きだ.
ランチのすき焼きの牛肉は,このお店で使われているA5ランクの肉ではないそうだが,それなりに旨い.
しかもボリュームもある.
熱々の名物コロッケはサクサク.
ジャガイモと挽肉が何ともノスタルジックな味わいだ.
これにシャーベットとコーヒーがつく.
それでいてこの値段はCPの高いランチだと思う.
(2011/12)
コロッケ 1ケ\60 ★★★★
函館山の中腹にある家から坂を下りると,古いすき焼き屋がある.
100年以上続く老舗の阿佐利だ.肉や惣菜の売店もある.
ここのコロッケが旨い.
じゃがいも,牛ミンチ,粗みじん切りのたまねぎが重々しく詰まっている.
衣は薄く,細かなパン粉を使い,しっとりとしている.
端を持つと半分に割れてしまうほどだ.
味は,レトロ,レトロ,レトロ.しかも美味.
人気のコロッケを売っている売店の開店は,おおむね午前9時30分ころ.
遅くともこの時間にはコロッケはできあがって,売店のバットに納められている.
日によって異なるが,売り切れるのはおおむね10時30分ころから11時ころ.
早めに行ってゲットしよう.
ほかには,焼売が旨かった.
(2002/4)
■すき焼 阿佐利本店■
函館市宝来町10-11
水休/11:00~20:30(売店9:30~)
1901年(明治34年)
<ランチメニュー>
Aランチ(牛すき・ご飯・みそ汁・香の物・水菓子・コーヒー)\1200
Bランチ(牛すき・ご飯・みそ汁・あつあつコロッケサラダ添え・水菓子・コーヒー)\1400
(2002/4)
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