シグナル食堂/小樽
正油ラーメン\450 ★★★★+
つぶ焼\550 ★★★★+
朝里駅に降り立つと,石狩湾の潮騒と磯の香りが身を包む.
よく晴れた夏の日の午後だ.
駅前の小さな食堂では,窓ガラス越しの店先でおばあちゃんがつぶを焼いている.
香ばしい醤油の焦げた香りが鼻孔をくすぐる.
香りに惹かれて入店する.
カウンター3席と4人掛けテーブル1卓だけの年季の入った狭いお店だ.
カウンターの奥の厨房で何やら作業をしているご主人につぶ焼きと缶ビールを注文する.
おばあちゃんの焼いた熱々のつぶには,たっぷりと醤油ダレが入っている.
やけどしそうな貝殻の縁に口を当ててタレをすする.
旨い,醤油ダレに貝特有の旨味が加わっている.
つぶは青つぶのようだ.
よく焼けている.
つぶ焼きを肴にビールを飲む.
駅の踏切の警報機がカンカンと鳴って列車が近づいて来るの知らせている.
情緒ある響きだ.
この食堂の名前の由来なのだろう.
店内を見回す.
短冊メニューが張ってある,
ラーメン,カレーライス,チャーハンがあるではないか.
迷わずラーメンを注文する.
スープは,鶏ガラ魚介系の昔懐かしい味だ.
魚介系が少し変わっている.
貝類の味が強い.
もしかしたらつぶだろうか.
アサリのような気もする.
深いコクと旨味がある旨いスープだ.
麺は中細の直麺.
やや低加水のシコシコ麺だ.
これもいい.
具にほうれん草が入っているあたりは,札幌昔風だ.
やや量は少ないが,値段の割にはかなり旨い.
なかなかのラーメンだ.
旨いつぶ焼きに昔懐かしいシンプルなラーメン.
石狩湾に面した小さな駅の前にあるほのぼのとした雰囲の食堂だ.
(2008/8)