【閉店】めんしょう/函館
塩ラーメン\570 ★★★★+
函館の知人から12月29日をもってめんしょうが閉店するという情報をもらった.
そういえば,12月20日には,駅前のKIOSK海峡が閉店した.
めんしょうが閉店するとなると,青函連絡船食堂の函館ラーメンの歴史は,完全に幕を閉じることになるのだ.
年末,函館に行こうと思ったのも,このお店の塩ラーメンを食べるためだ.
12月29日AM11:30,お店に到着.
5年ぶりの訪問だ.
まだ,客はまばらだ.
9月の鳳来軒の閉店のときのような喧騒はない.
カウンターに座る.
塩ラーメンを注文する.
ご主人も奥さんもまだまだお若く,前回来たときと変わった様子はない.
閉店の理由はどこにあるのだろうか.
先に来ていた近所の人や常連のタクシーの運転手が帰っていく.
口々にこれまでの労をねぎらっている.
ご主人や奥さんの目には,うっすらと涙が光るのが見て取れた.
やはり旨い塩ラーメンだ.
函館伝統の豚骨清湯だが,野菜の強い旨味とコクがよく出ている.
パンチのある部類の塩スープだ.
麺は岡田の中細直麺.
もちもち感があるタイプ.
これもいい.
チャーシューが旨い.
強めの味付けの叉焼は,噛むほどに味がある.
全体としてまとまりのいい塩ラーメンだ.
純粋な意味での伝統的な函館ラーメンとはいえないが,その系譜が十分に感じ取られる.
閉店は残念だが,またいつの日か,この味の復活を望みたい.
(2008/12)
函館市昭和2丁目1-23

2002年(平成14年)オープン.
店主は,青函連絡船羊蹄丸の船内食堂のシェフをされていた上村利光さんという方.
青函連絡船廃止後の昭和63年,北海道キヨスク(鉄道弘済会)が函館駅前に開店したラーメン海峡の元店長をされていた.
2002年に独立されたようだ.
正に青函連絡船の人気メニューであった海峡ラーメンの味を引き継いでいたのだ.

店の壁には,青函連絡船のペーパークラフトと写真が飾ってある.
ご主人の青函連絡船に対する熱い想いが胸を打つ.
この想いがこの1杯のラーメンを支えてきたのだろう.
名残惜しい限りだ.
(2008/12)