資生堂パーラー/東京 銀座
ミートクロケットトマトソース\2620 ★★★★★
ビーフカレーライス\2940 ★★★★
【ビーフカレーライス】
資生堂パーラーが西洋料理を提供するようになったのは昭和3年.
当時から人気だったカリーライスの流れをくむビーフカレーライスだ.
カレールーは,金属製の重厚なソースポットに盛られている.
付け合わせは,階段状の4段の豪華な金属製薬味入れられている.
みかん,らっきょう,福神漬けなど4種類だ.
これにミニサラダもつく.
ライスは,店員が金属皿に載せたライス持ってきて皿に盛りつけてくれる.
おかわりは自由だ.
カレールーは,カレー粉を中心によく焙煎されている.
苦み走ったカレーの深い風味がよい.
全体としてあっさりとした甘めの上品な味だ.
そこはかとなくレトロなのだ.
ただ,牛肉そのもの旨みが弱く,力強さに欠けるところが残念だ.
カレーメニューは,ほかに,野菜カレー,伊勢海老とアワビのカレーがある.
【ミートクロケットトマトソース】
昭和6年以来人気のロングセラーだ.
大きな白磁の皿に敷き詰められた色鮮やかなトマトソース.
その上に,俵型のミートコロッケが2つ載っている.
その上には更に素揚げしたパセリ.
コロッケの中身はマッシュポテトとソテーしたハム・マッシュルームのようなものを混ぜ合わせたものが詰まっている.
ハムが独特な旨みを出している.
衣は細かなパン粉で揚げられている.
サクサクとした食感がいい.
トマトソースは,上品な甘味と酸味がありフルーティーだ.
コロッケにつけて食べると全体の味がバランス良くマッチしてとてもおいしい,
かつ,レトロ.
さすがに長年人気を保ってきたメニューだけのことはある.
満足だ.
(2006/10)
資生堂パーラー
東京都中央区銀座8-8-3
月休(祝営業)/11:30~21:30(L.O20:30)
1902年(明治35年)
***********************************

資生堂は,現在,大手化粧品会社として有名だ.
もともとは薬局だ.
資生堂パーラーの始まりは,創業者の福原有信氏が,明治35年に現在の資生堂ビルの所在地にあった資生堂薬局内に開設したソーダファウンテンらしい .
ソーダ水は,当時の銀座の名物となったようだ.
その後,昭和3年に資生堂アイスクリームパーラーとして新装開店.
このころから本格的な西洋料理を提供するようになったそうだ.
当時は,カリーライスが人気だったようだ.
資生堂パーラーの人気メニューであるミートクロケットは,昭和8年に三代目総料理長の高石氏によって考案されたようだ.
資生堂パーラーと改称されたのは,昭和48年.
現在も銀座の老舗洋食店として威厳を保ち続けている.
(2006/10)
より大きな地図で jov's house 食歩記/東京 を表示